No.3 痛みを伴わない出血のこと
何だか仰々しいタイトルになってしまいましたが、内容はちょっとした出来事です。
数日前の話なのですが、朝出勤して、自席で荷物を置いたりパソコンを付けたり色々しながらふと脇を見ると、デスクにそこそこの量の血痕、というより血だまりが出来ていました。
多分、健康診断の採血2回分ぐらいはあったと思う。
パソコンにも飛び散っていたりして、なかなか凄惨な状況でした。
びっくりして自分の体を確認すると、右手小指の爪の付け根あたりの肉に切り傷が出来ていて、血が流れ続けている状況でした。
拭いても拭いても止まらない。
ここまで読むと凄く痛そうな話なのですが、驚くことに、全く痛みが無かったのです。
なので、いつ切れたのかも全く分かりません。
多分デスクの書類か何かで切ったのだとは思うのですが。
どくどくと止め処なく流れる血液を目の当たりにした後でも、完全な無痛です。
私はとても混乱しました。
基本的に不注意な人間なので、体を何かにぶつけたり、何かで切ったりして、しょっちゅう傷や痣を作ります。
だけど今までの経験では、程度の差こそあれ、基本的に傷や痣には痛みが伴っていたと思う。(
当たり前だけど。)
ましてや、採血2回分ぐらいの出血ならなおさら。
最初は、自分が痛みを感じない体になってしまったのかという疑念が生じました。
だから、非常に馬鹿馬鹿しくて古典的な行動なんだけれど、出血箇所から少し離れた所をつねってみて、自分の痛覚を確かめてみました。
もちろん痛い。
一応血液と思われる液体の臭いを嗅いでみたりもしました。やっぱり血の臭いがした。
そもそも、自分の体から赤い液体が流れている時点で血液に決まっているのに。
そんなこんなで、「やはり体は痛みを感じることができるし、流れているのは血液に違いない」ということが確かめられたので、傷口の処置に専念することにしました。
職場にあった絆創膏を何重にも巻いて、何とか血が流れ出てこないようにしました。
(本当はガーゼかなにかの上から巻くべきだったんだろうけど、見当たらなかった)
帰宅してからはキズパワーパッド(すごい発明だと思いませんか?)に交換して、3日ぐらいでおおかた傷は塞がり、大事には至りませんでした。
というだけのお話。
ところで、職場での応急処置は、あまり人には見られないようにこっそりやっていました。
何故かというと、会社が製造業ということもあり、職場の怪我(いわゆる労災)には結構厳しいんです。
工場での事故はもちろん、オフィスでカッターを使って指を切ったとか、階段で転んで打撲したとか、社内で事故が発生すると、労働災害事例として全社員にメールで共有されるのです。
ご丁寧に、状況を再現した写真付きで。
(もちろん個人名は伏せられますが)
なので、「小指から多量の出血。原因は不明。」というような、誰の役にも立たない情報を全社員に晒されたくなかったのです。
(初の写真無し労災情報になったかも。小指の写真だけ見せても仕方ないもんね)
「自席に少しでも鋭利なものを置かないように」というような、めんどくさい指令が出るかもしれないし。
まあ実際のところ、そんなよく分からない案件をわざわざ上司も報告しないんでしょうけど。
それにしても、何で全く痛みを感じなかったんだろう。
血管は通っているけど、神経は全然通っていないということがあるのでしょうか。
意外と人間の体って雑な部分もあるのかも。
今度から、腕じゃなくて小指の付け根から採血してもらおうかな。
それでは。